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--3F黒部峡谷・下ノ廊下(富山)

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下ノ廊下について・・・

北アルプス中央、三俣蓮華岳の北西斜面に端を発し、険しい山々を削り取りながら日本海に流れ落ちる黒部川。この川の上流部のうち、平の渡より上部を上ノ廊下、下って欅(けやき)平までを下ノ廊下と呼びます。
下ノ廊下のうち、関西電力の黒部第4ダムより下流は岩肌に穴を穿ち道を渡す、危険な道が続き大変危険ですが、景観は大変すばらしいものがあります。(←いや、本当に)
またV字峡ゆえ雪解けも遅く、渓谷沿いの登山道の雪が消えるのは8月以降になり、10月末には小屋も閉まってしまうため、1年でわずか2〜3ヶ月の間しか訪れることが出来ません。これも下ノ廊下を「秘境」と呼ぶ要因の1つでしょう。 このページでは黒部ダムより欅平までを、上流より順を追って紹介していきたいと思います。

黒部ダム〜・・・

黒部ダムへのアプローチは大きく分けて2通りあります。富山よりアルペンルートを各交通機関を乗り継ぐ方法。もう1つは長野県大町市より扇沢を経由、関電トロリーバスを利用する方法です。通常なら扇沢経由が便利ですが、立山の景観を楽しむならアルペンルートを利用することもよいでしょう。
ダムの突堤の右脇(長野側)に日電歩道への案内が出ていますのでこれに従い、やがて道は急な降下をはじめます。20分ほどでダムの底に到着します。木の橋で黒部川を左岸に渡りますが、ここから見上げるダムは、なかなか壮観です。ここから1時間ほどは暗く湿った道を延々と歩くことになります。下ノ廊下はどんなところかと期待された方には少々物足りないです。道自体も大きな岩がごろごろしていたりと、とても楽しい場所とは言えません。やがて内蔵助谷出合へ着きます。

内蔵助谷出合〜・・・

ここからはいよいよ黒部の谷の岩壁に穿った道を行くことになります。道幅は60センチほどしかありません。場所によっては丸太2本の幅だったり、細心の注意が必要です。落ちたら確実に死ぬような場所ばかりなので、あんまりいいかげんに歩く人はいないでしょう。むしろみなさん、このスリルを求めてここに来ているように思われます。7月下旬や8月上旬に行かれる方は、凍った雪にも注意してください。なにしろ深い谷なので日中陽が当たらず、なつでも日陰は寒いくらいです。細い道はやがて別山谷出合へと続きます。

 
別山谷出合〜・・・

いよいよここからは下ノ廊下核心部へと入ります。別山谷出合で大きく右に曲がった黒部川の右岸には「赤ムケの壁」と呼ばれる赤い大きな岩壁があらわれます。つづいて狭い道を行くと、今度は足元の川の流れが激しくなってきます。ここが「白龍峡」です。流水量によって迫力が異なるのが残念ですが、雪解け時は川の段に添って流れる水と渦の泡が、まるでうねる竜のように見えることからこの名がつきました。白龍峡をすぎるとしばらくはなだらかな流れに沿った道を行くことになりますが、しばらくして、今度は「十字峡」が現れます。ここは黒部の流れに左右からほぼ直角に、左岸からは劔沢、右岸からは棒小屋沢が流れ込む場所です。劔沢をつり橋で渡ることになりますが、ここからはちょうど3本の川が十字に交わる様子を見ることができます。ちなみにエアリアでのコースタイムではダムよりここまでで4時間強です。

十字峡〜・・・

あいかわらず道は細く注意が必要ですが、そろそろ感覚が麻痺してくるころでしょう。足元右手、黒部の川は「S字峡」へさしかかりますが、あまり感動してきません。食傷、といったところでしょうか。それよりも対岸はるか崖上にみえる関西電力の保養施設が大変うらやましく思えるはずです。 (※この施設はダムより地下トンネルを専用バスを使ってのみ行ける施設です。国土地理院発行の1/25000の地図に載っているので確認できます)
黒4発電所からの送電線が対岸の岩壁から飛び出しているのが見えだすと、道は下り始め、やがてつり橋を渡って黒部川を右岸へと渡ります。ここからはコンクリートで出来た暗いトンネルを通り、仙人ダムへと行きます。仙人ダムの突堤をふたたび左岸へと通過し、ダム内部の狭い通路を通って行きます。途中で工事用線路をまたぐ場所がありますが、ここのトンネル内部の岩盤は大変熱く、中の気温も蒸し暑くなっています。ダム職員の宿舎の横を通り抜け、登山道は急な登りと下りを繰り返したあと、阿曽原の小屋へと到着します。


阿曽原小屋〜・・・

小屋の前を通り、テント場を抜けると、まずは100m前後の急な登りがあります。道はしばらく足場の悪い状態が続きますが、やがて木立の中の静かな感じへと変わります。ここからは黒部川からは100m以上高い場所を、欅平に向かって水平に歩いていくことになります。詳しい地図を見れば登山道が等高線と平行に作られていることがよく判ると思います。道は途中2ヶ所で沢の裏側をくぐることになります。1ヶ所目はオリオ沢につくられた小さな砂防ダムの内部をくぐります。2ヶ所目は志合谷沢をくぐりますが、ここは手掘りの狭く暗いトンネルが200mほど続き、内部はあふれ出た地下水で水浸しです。通過にはヘッドライトなどが必要でしょう。阿曽原から欅平まではエアリアコースタイムで4時間、小屋からの登りと、最後の欅平での急な下り(この坂は本当に膝に応える!)を除けば、黒部川の左岸をえんえんと水平に歩くことになります。道は所々狭かったり危険な場所がありますが、それ以外はやや薄暗いものの、水平な歩きやすい道です。
阿曽原小屋について…

下ノ廊下で唯一の営業小屋ということもあり、毎年紅葉シーズンの週末(だいたい10月の中下旬)には大混雑します。小屋から3分ほどのところには露天の温泉があり、峡谷の美しい景色を眺めながら入浴することができます。テント場は水道・水洗トイレが完備されていますが、あまり広くないので、ハイシーズンに行かれる方はなるべく早く着くようにしましょう。

欅平について・・・

ここには黒部峡谷の自然・開発に関するさまざまな資料が置かれたミュージアム(入場無料)があります。黒部の歴史や、開発のエピソードなど、興味深いものがたくさんおいてありますので時間に余裕があったらぜひ立ち寄ってみてください。

トロッコ電車…

富山の奥座敷・宇奈月温泉と欅平とを1時間半ほどで結ぶ鉄道です。普通の鉄道と違い、狭い山岳でも走行できるよう、線路の規格が小さいものになっています。観光シーズンは曜日に関わらずいつも満員です。20分に1本の割合での運行ですが、混雑のためすぐに乗車できるとは限りません。時間に余裕をみておきましょう。また一般料金の普通車は窓がなく開けっ放しなので、トンネル内部などは肌寒いです。気をつけましょう。黒部峡谷鉄道のHPはこちらです。

水平道…

そもそも、この道は関西電力が送電線や送電鉄塔の保守管理のために整備している道です。阿曽原から上流でも同様に関電が整備を請け負っている道なのですが冬の降雪量や、春夏の天候によって毎年状況が大きく変わりますので、利用される場合には富山県警山岳警備隊に連絡し、情報を入手しましょう。

最後に…

一般的に、下ノ廊下は健脚向きと言われています。それなりの体力と、それなりの技術が必要。初心者の方、高所が苦手な方は経験者と一緒に行かれることをお勧めします。また入山される際は必ず県警に連絡して登山道の情報を入手し、登山届を提出するようにしてください。


Written by T.Ueyanagi


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